大戦の幕開け……

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    「それでは…他に意見が無ければ本日の軍議を終了致します……  皆さん…次の軍議迄に候補を決めて下さい……」  こうして、八人揃っての初めての軍議は、次の課題を残して終了した。  軍議が終わり各々席を立ち上がると、お互い受け持っている兵士達の情報等を話す。 「将軍…少しお時間宜しいですか……」  朱雀は、軍議が終わるといち早く蔵馬に話掛ける。 「朱雀殿…私は構いませんが……」  蔵馬は、真剣な表情で話す朱雀に少し戸惑うが、そのまま部屋を出て朱雀の部屋に向かった。  朱雀の部屋に到着する迄、二人供何も語らずそのまま部屋に入り椅子に腰掛けると、蔵馬の方から話掛け沈黙を打ち破った。 「して朱雀殿…私に話とは? 何か問題でも……」  蔵馬の問い掛けに、朱雀は一呼吸置いてから用件を伝えた。 「はい…将軍は今日の提案…どう思いますか?」 「護衛隊長の件の事か……」 「えぇ…やはり将軍は反対ですか?」 「いや…私は賛成だが…確かに今までとは兵の数が変わってくる……  護衛を付けるにしろ…部隊長を設けるにしろ…私は反対では無い……」  蔵馬は、朱雀に今日の軍議に対して質問されると、率直な気持ちを朱雀に伝える。  すると、蔵馬の意見に朱雀は少し笑みを洩らし軽く頭を下げる。 「解りました…有難うございます…私の話は以上です…忙しい所お付き合い頂き感謝致します……」 「ウム…朱雀殿も余り無理をなさらぬように…では失礼する……」  朱雀の用件が終わると、蔵馬は朱雀の体調を心配し部屋を出ていった。  朱雀も、感謝の言葉を掛け椅子から立ち上がると、深く頭を下げ蔵馬を見送った。
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