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死神とは、またの名を調整者といい、現世と"尺魂界"を循環する魂ぱくを管理する者達のことでる。本来は霊力を生まれながらに持ち、死神達の暮らす瀞霊廷で生まれ育った貴族や、死して流魂街に流れ着いた霊力に目覚めた魂ぱく等が、平均して6年間特殊な訓練を受け、さらにその中でも、一部の才あるものだけがその名を語ることが許される存在だ。
しかし一護は現世に生を残した人間でありながら、死神としての力を得た。
それだけではなく、わずか半年という短い期間で始解ばかりか、死神の最高戦術の一つであり、それに達するには才能が在るものでも10年以上を必要とすると言われる卍解まで修得してしまったのである。
此は長大な"尺魂界"の歴史の中で、いまだかつて前例の無いことである。しかも身の内に虚まで宿している。"尺魂界"の最高意志決定機関"四十六室"にいつ危険分子として抹殺されてもおかしくないのだ。
対して一護が思いを寄せる相手は、"尺魂界"の名門中の名門といわれる、貴族の当主である。
そしてなにより、彼の中には以前亡くした妻が棲んでいる。一護が死神になるきっかけになった少女ーと言っても、実年齢は一護の10倍ほど上だがーの実の姉である彼女の在りし日の姿は一護の目から見ても、儚く美しかった。
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