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「誠治だめぇーーーーーー!!!」
突然の横からの衝撃に耐え切れず、誠治は居た場所から少し離れた所に倒れた。
「なっ…!」
慌てて顔を上げてみれば、そこに見えるのは自分に乗っている状態の啓太の姿。
「落ち着いて誠治!!まだ大和が死んだと決まったワケじゃないんでしょ!?」
「……え…ぁ……啓太……?」
「釘野くん!!」
「山下!大和の様子は!」
一樹は自転車から降りると急いで二人へと近づいていく。
そして気絶している大和に近付き声をかけた。
「大和…!おい大和!しっかりしろ!!」
「ぅ……うぅ…」
微かにだが反応が返ってきた事に一先ず安心する。
そして一樹は後ろを振り返り、大和の無事を知らせる様に誠治たちに向かって叫んだ。
「生きてるぞ!大和はまだ生きてる!」
「ほんと!?ほら、誠治!大和まだ生きてるって……!」
「……本当…に……?」
啓太が嬉しそうに言えば、誠治は安心したのか全身の力が抜ける。
「スタンガンを受けただけだから多分大事には至らないと思うけど…僕たち水に濡れてたから……」
「それで威力も上がったってわけか…」
「ひ…ぁ……!!」
視線を移せばそこには先ほどと同じ様に怯えてる鬼の姿。
啓太は静かに立ち上がると鬼へと近づき、そっと手を伸ばした。
「ひっ!!」
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