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誠治の言葉に一樹たちは何も言う事が出来なかった。
確かに、結果だけ見ればそういった問題児が犯罪を起こす割合は高いかもしれない。
しかしそれでも確実ではない。
全員が全員犯罪を犯すわけではないのだ。
どんなに酷い問題児でも中には立ち直ったり心を入れ替えたりして真面目に生きている人もいるだろう。
大人から見れば無駄な事でもそれが一番大事な事だってある筈。
しかし、それ等を全て否定するかの様に問題児という曖昧なボーダーラインだけで簡単に始末しようとする考えが一樹たちは許せなかったし、何より信じられなかった。
しばらくして一樹は静かに、そして呟くように必至で声を絞り出す。
「…けどよ、その……大人の好きな結果だけで見たら…これも立派な犯罪じゃねぇ?なのにあいつらは自分の事は棚に上げてんのかよ」
「…そうだね……」
「はっ…!つくづく最悪だな」
「……山下。確か、お前の親父も一枚噛んでるんだよなぁ?」
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