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  夏が終わり、少し冷たい風が吹く様になってきた季節。 ここ市立花太刀高等学校に通う『福山 一樹(ふくやま かずき)』はいつもと同じ様に携帯を弄って遊んでいた。 「一樹また携帯弄ってんの?」 ふとその声に顔を上げてみれば、そこに居たのは『釘野 啓太(くぎの けいた)』といい仲の良い親友の一人だった。 「飽きない飽きない。知ってるか啓太?毎日一時間は携帯を使ってるとその携帯から出る電波によって脳が若返るんだぜ?」 「え!それホント!?」 「あぁ、ホントホント」 「……なワケないだろ」 声と同時に一樹はノートで頭を叩かれる。 地味に痛い攻撃に一樹が頭を抱えていると、叩いた人物はそのまま言葉を続けた。 「全く…一樹、啓太に嘘つくんじゃねーよ」 「あ、誰かと思えば真面目バカ」 「…誰が真面目バカだ?」 「アハハハハ、お前以外に誰が居るんだよ」 「うん、一樹。もう一回叩いていいか?」 そう言って持っているノートを丸めているのは『大平 大和(おおひら やまと)』といい、大和も中の良い親友だ。  
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