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「はぁ…はぁっ……」
度々の炎による攻撃。
直撃こそしていないものの何度かはかすり、更には炎による凄まじい熱気で徐々に体力も削られていき誠治は足が震えていた。
「噂どおりですよ、ここまで粘るなんて……。でも、僕もいい加減飽きてきたので…そろそろ終わりにしましょうか」
そう言って向けたスプレーを噴射させ、誠治は急いで逃げようとするが反応が遅れてしまう。
(しまっ……!)
もう駄目だと思った瞬間、強く横に引っ張られ誠治は炎の直撃を避ける事が出来た。
「危なかったね…間一髪」
「お前…」
視線を横へと向ければそこには腕を掴んでいる七観の姿。
「余計な真似すんじゃねぇ!俺はお前の手なんか借りなくたって……!」
「え?今僕が助けなきゃ間違いなく天宮くん死んでたよね?」
あっさりとそう返されれば思わず言葉に詰まってしまい、七観はにっこりと笑う。
「ちっ…!テメェ大和はどうした。あいつにもしもの事があったら…」
「あぁ、その事なんだけどー…」
距離がある為に良く聞こえないのだろう、鬼は二人のやり取りを見ていたがやがて痺れを切らした様に声を上げた。
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