2625人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
「来いよ…これで終いにしようぜ」
「へぇ…水を被ったんですか。でも、それだけで炎を防げるとでも?」
「そいつぁ…やってみなきゃ分かんねぇんじゃねぇの?」
「やっても無駄だと思いますケドね…でも、天宮さんがお望みなら…」
そう呟いて二人は向き合い、一瞬にして雰囲気が変わる。
お互いがタイミングを見計らっているのだ。
そして───最初に動いたのは鬼だった。
素早くスプレーを噴射させると炎が誠治を襲うが、誠治はその場から動こうとはしない。
鬼は避けようともしない誠治に驚いたが、誠治は上着を脱ぐとその上着を向かってくる炎と自分の間に投げた。
「!?」
水を吸っているので一瞬だが炎を遮る。
だが、誠治にはその一瞬で十分だった。
「らぁっ!!」
服ごと殴る様に拳を振り下ろせば、鬼は予想外の事に反応出来ずそのまま後ろへと吹き飛ばされる。
その時手からスプレーが離れ、鬼は慌てて拾おうとするがそれよりも早く七観はスプレーを蹴り転がすと誠治がそれを拾った。
最初のコメントを投稿しよう!