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「大平くん!?」
「……やま……と………?」
「か…あっ……!」
大きく痙攣する大和の体。
七観は急いで大和の体を起こし、状態を見ると大和は何度か小さく痙攣した後意識を投げた。
「あ…!あ……!」
ガタガタと震え涙を流してはいるが、その手に持っている物はスタンガン。
「大平くん!大平くん!!」
七観は急いで心臓に耳を近付け動いているかを確認する。
しばらくすると確かに聴こえてくる心臓の音に七観は一先ず安心した。
「テメェ…」
先ほどまでとは比べものにならない程の威圧感のある声。
その声に悪寒を感じ、慌てて七観が顔を上げればそこに居たのは目の前に居る相手を睨む誠治の姿だった。
「ひっ…あ…あ…あぁあぁぁああぁぁあぁぁああ!!!!!」
狂った様にスタンガン片手に走ってくる鬼。
しかし、誠治はその手を捕まえると躊躇いなく拳を作りそのまま横へと振りぬく。
「きゃあっ!!」
鈍い音がすると同時に大きく後ろへと吹き飛び、体を起こそうとするが体が動かない。
「ぅ…」
「……悪ぃなぁ……」
「っ!!」
慌てて顔を上げればそこには恐ろしい形相で立つ誠治の姿が見え、思わず後ろへと後ずさった。
「ひっ…!」
「俺は、女だからって手加減出来るほど器用じゃねぇんだよ」
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