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麻酔の注射がきくと、女医さんは傷口を縫合していく 「女の子だから細かく縫っておくからね」 あたしは余裕が無くてただ頷いた 縫うのが終わると、先輩に車椅子に乗せてもらい、レントゲンを撮りに向かう。 足首が痛いので足音を重点的に撮影された また整形外科の前で待っていると、ママがやって来た。 「夏鳴!大丈夫?」 ママは先生達に事情を聞くと縫合された膝の包帯を見る。 「すみませんっ!僕が転ばせてしまって…」 先輩は90度に深々と頭を下げた。 「違うの。あたしがバランス崩しただけなのっ。」 ママはびっくりした顔で笑う 「とにかく、話しは後でね。今は診察してもらいましょう」 ちょうど名前が呼ばれて、診察室に入った 足首は捻挫で済んだ。 看護師さんが汚れた両足を丁寧に洗ってくれて、捻挫の足の処置を女医さんがしてくれた 「縫ってるから入浴はシャワーで患部は濡らさないでね。一応外で転んだから破傷風の注射をしましょう。捻挫は毎日湿布を変えて下さい。飲み薬は3日分出しておきます。歩くの辛かったら、杖貸しますよ?」 「じゃあ…お願いします。」 「1週間後にまた来て下さい。」 「傷跡は残りますか?」 「まぁ…極小さくは残りますよ。」 ママはホッとしたように頷いた 「ありがとうございました。」 「着替えがあるなら着替えますか?」 あたしは半ジャを見た… 上のジャージも血まみれだった… 「制服に着替える?」 浜口先生に言われ頷く。 ママに手伝ってもらい、処置室で制服に着替えた。 車椅子で会計のところに行くと、さっきの看護師さんが腕カバーの付いた杖を持って来てくれた。 お礼を言うと先輩が持ってくれた。
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