第1話.普通ライフ

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彼は今日も普通に授業を受け、普通に終えて、普通に下校していた。 「あぁ~。今日も普通だったな」 そう言いながら太郎は歩道橋の上を歩いていた。 すると、 ピピピピッ 太郎のケータイがなった。着信音は初期設定から変えていない。なんとも普通だ。 太郎は歩きながらケータイを開くと、メールを見た。その直後、 ドンッ! 誰かと肩がぶつかった。そう、不良だ。なんともベタな展開である。 「あっ、すっ、すいません!」 「すいませんじゃねーだろテメェ何処見て歩いてんだコラァ!」 太郎は不良に胸ぐらを掴まれてグイッと引っ張られた。 するとその拍子に、太郎は持っていたケータイを歩道橋の下に落としてしまった。 ガシャン! 「ハッ!ケータイ落としてやんの。ザマァみやがれ」 不良は太郎のケータイが壊れたことで満足したのか、太郎から手を離し去っていった。 太郎は潰れたケータイを拾い呟いた。 「3年も使いこんでたケータイなのに。ついてないなぁ」 太郎は少し悲しい顔をしながら家路についた。 この僅かな変化がのちの大きな変化になるとは夢にも思わずに………。
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