第13話.今宵、太郎はサンタクロース?

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怒りのオーラを出しながら近づいてくる力蔵に、オッサンは思わず後退りした。 「待てっ!!ワシじゃないって!!話を聞いてくれー!!」 ボカァン! オッサンの制止も聞かず、力蔵は容赦なくオッサンを塀の外までぶっ飛ばした。 「不審者撃退完了ですね」 「てか結局秋野は?」 「待ってろ次郎、もう1回探すから」 そう言って太郎は『世界詳細映像カメラ』を起動しようとケータイを取り出した。 「……あれ?」 「どうしました太郎?」 「電池切れてる……」 「マジかよ!まぁ、さっきあの飛行機使ったから仕方ねぇか」 「ケータイが使えないとなると、自分達の足で探すしかないですね」 そんな会話をしていると、突如塀の奥から何かが空中に飛び上がった。 「塀の外までぶっ飛ばしてくれてんじゃねーよクソガキがぁ!」 そこには力蔵がさっきぶっ飛ばしたガリガリのオッサンが、トナカイを繋いだ空飛ぶソリに乗っていた。 「へっ!?ひょっとして……マジでサンタクロース!?!?」 『うそぉぉぉ!!!』 力蔵の言葉に続き、太郎、次郎、天馬は叫び声を上げた。 「だから何度もサンタだって言っただろうがぁ!もう二度と来ねぇからな!」 オッサンはそう吐き捨てると、トナカイを操り月に向かって飛んで行った。 「……って事は、このサインは本物だぁー!!!」 力蔵は喜びの声を上げて、サイン色紙を抱き抱えた。 「いやっ、てかそれ以前に本物のサンタなんだぞさっきの酔っ払いのオッサンが!!今の俺達は宇宙人見たようなもんなんだぞ!!驚かねぇのか!?」 「太郎の言う通りですよ力蔵!それにそのサインは次郎が…むぐぐっ」 秘密を喋りかけた天馬の口を、次郎は慌てて塞いだ。 「んっ?次郎がどうかしたのか?」 「気にすんな力蔵!こっちの話だ!ハハハ……」 次郎は苦笑いで必死に力蔵をごまかした。
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