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「俺…直哉を助けたい……今の直哉も…もう一人の直哉も助けたい…」 でも俺に何ができるんだ 何もできない 今までだって助けてもらってばっかりだった 助けられないんじゃないのか…… 「束野くんは彼が大好きなんだな」 ……それは…どっちの意味でだ 「……どっちも?」 恋愛感情はないからな 「はは…束野くんなら助けられるさ」 「…本当か」 「そう信じてる……大丈夫だよ。束野くんなら」 「………」 そのあと沈黙が続いた チャイムがなってすぐに直哉が現れた 「奏太くん大丈夫かぁ?つか海音ぉ!なにサボってんの!暇すぎて死にそうだったぞ!」 「あーごめんごめん」 時間の流れの速さは恐ろしいな 「奏太くん、もう気分は大丈夫か?」 「うん」 次の授業に遅れるのは嫌だから早く教室に戻ることにした 昼休み あれから普通に授業が続いた また奏太は女子やら男子やらに絡まれている 「はぁーお腹すいたよ」 「さっき食ったばっかだろ」 「オニギリだけじゃたらん!つか次の授業何?」 「数学…って今日五限か」 「おう しかも部活なし!先生言ってたじゃーん。話聞けよぅ」 「俺 帰宅部だから関係ないし」 「そうだっけ?」 あははと笑う直哉を見ていると もう一人直哉の人格があるとは信じがたいなって思う 「お前さ…元カノとかいたっけ」 「はえ?いないけど?なんでさ」 「いや…なんとなく」 直哉に愛と殺意を抱く魂は恋人だろうかと思っただけだ 「じゃあ……元カレ……とか?」 うわあ…馬鹿だなぁ 俺 何馬鹿なことを聞いてるんだと恥ずかしくなってきた 「は…はあ!?いねぇよ!俺 ホモじゃないって!」 「だ、だよな!ごめん…」 「つかどした?今日の海音はなんかおかしいぞぉ?あはははっ!か、かわいーっ……ぶはっ」 「うるさ…かわいいってなんだよ!ああもう!笑うなっ!!」 「ご、ごめっ…ぶっ…ははははっ!!!」 ああもう! あんなこと言うんじゃなかった! 俺は恥ずかしくてこの教室から出た 「あ、どこいくんだよぉー!海音ぉ~」 「トイレだよ!!!」 「ご、ごめんっ…」 本当は別に行きたくないけどな! でないしな!!  
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