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「海音ぉー昼はスパ食べたいよぉー」 「材料があったらな」 帰り道 ここらへんは車がよく通るから危ないな 直哉家が目の前にあるのに少し長めの横断歩道が間にある 「……?」 直哉が道路に近付く まだ信号は止まれをしめしているとゆうのに 「おい、直哉」 「あの、さ…俺の目がおかしいの…かな?あそこに、女の子がいるんだけど…海音、見える?」 直哉の声が震えていた 直哉が眺める先… 横断歩道の向こうに中学生だろうか…女の子がこちらを見ている でもその子は透けていた もしかして…妹!? 直哉は横断歩道にでて走りだしてしまった 「直哉っ!?駄目だ!行くな!!」 俺の声が聞こえていない しかも運の悪いことにトラックが走ってきている このままじゃ直哉とぶつかって…! 「直哉ぁあ!!!」 俺も直哉を追い掛けて横断歩道を走っていた 車が来ることを気にしていられない 俺より直哉を助けたい 失いたくないんだ!直哉を…!! 目の前が歪む 俺は泣いてるんだろう きっと自分でも見たことないくらいに顔を歪ませて… 「嫌だっ…行かないでくれ!直哉ぁぁぁ!!」 直哉に確に俺は触れ背中から抱きつく形になった そして驚いたのは来るはずの衝撃がいつまでたってもこなかったことだった。 「……?」 周りを見渡すとトラックが真横にあってとまっていた。そして他の車も空に羽ばたく鳥も何もかもが動かず止まっていた 「なん…で…」 驚いていると前から声がした。 「あ…の、海音?ちょっと恥ずかしいんだけど…」 「え?…ぅわっ…ごめん」 直哉から離れようとしたが何故だか俺の声を聞いてくれる直哉がいるのに嬉しくて堪らなくて、また抱きついた 「ふわ!?海音っ?」 「直哉…俺の声を聞いてくれ…いきなり消えてしまわないでくれっ…お願いだから…っ!」 「海音…もしかして泣いてる?…海音の顔…みしてよ」 直哉がこちらを向き顔を包むように上に向かされた これまでにないくらい顔が近い でも悪い気にはならなかった。  
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