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でも泣き顔を見つめられたままなのは恥ずかしい 「…何だよ」 「もーこのツンデレぇーかわいいなぁーもうっ」 「ツ、ツン…?」 よく最近、ヤンデレやらツンデレやら変な言葉を耳にするな 「そんな事言われたら止められなくなっちゃうじゃんか…」 ごめん…俺にはよくわからないよ、直哉 「ご、ごめんっ…つかコレ…どうして皆停まって?」 そうだった…停まったんだな とりあえず今のうちに安全な所に移動した なんでこんな… もしかして俺の…? 「ね、ねぇ!…あの女の子は…?」 透けていた女の子はいなかった 「直哉…女の子なんていなかった。だからその子を見ても…その子はもういないんだ」 「そう…か…なんだぁ、いなかったのかぁー!あ…あはははは!そうだよなっ!だってもう…っ」 直哉は俺に背中を向け泣いていた 「なぁ…か、海音さ…俺がいつ…もと違ってたら…き、嫌いになる…よね…」 「…馬鹿。ならない…ならないから」 嫌いになったりしない すべてのお前を受け止めてやる お前も…もう一人も! だから信じろ… お前は生きてるだろ 「俺はお前のそばにいるから…安心しろ」 「…っ海音…ぅく…ありが、と…っ…」 直哉が泣きやむまで時間は停まっていた 地面に落ちたDVDを拾い俺と直哉は家に向かった それからは昼食を食べたり映画をみていたりとすぐに時間が過ぎていった 「じゃあ、またな」 「うん…ありがとう」 俺は家に帰ることにした ホントはすごく心配なんだけど… 「なんかあったら連絡しろよ」 「はいはい。なんか海音、お母さんみてぇ」 「……」 直哉のお母さん…悪くはない そんなことを思いながら俺は家まで歩いていった  
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