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窓の外ではひどい音を立てながら雨が降っている。
けれど彼女。大川 心(おおかわ こころ)は気にも止めず、壁に背中をもたれかけ、無表情で座りこみながら右手に握りしめた一枚のCDROMを見続けていた。
「なんで・・・どうして・・・」
心はCDROMを持ったままゆっくりと立ち上がると窓に手をそえながら、色とりどりに輝く夜の町を見つめ続けながら言った。
「見つけるから。必ず。
私が貴方の仇を打つから・・・だから・・待ってて。あともう少しだけ、待ってて。愁(しゅう)。」
止む兆しを全く見せない雨はまるで彼女の心を象徴しているかのようだった。
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