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先程、家に帰ろうと思っていた心は母親からメールで「今日オムライスにしようと思ったんだけどケチャップと卵切らしてたから買ってきて~」と言うメールを受け取り、晩御飯の材料を買いに来たのだ。
「全く~お昼に買っといてよね~」
心はぶつぶつと文句を言いながらも頼まれたものをカゴに入れていった。
「あっ!これ食べたかったんだよねぇ~」
そう言って、心が手にとったのは最近CMで人気急上昇の赤木 空(あかぎそら)という、心とたいして年の違わない少年がやっているCMのお菓子だった。
「これも入れちゃお。」
買い物を終えた心は比較的空いていると思われるレジに行くと、お金を支払い、お釣りを受け取ると一言「どうも」と言いスーパーを出て行った。
「さっむ!!」
そう言うと、心の口からは白い息が吐き出された。
「ん~~寒いからいっちょ走りますかぁ!」
心は体を温める為に雪降る町を走った。
風は心の頬を優しくなで、心は風と自分が一体になる気がした。
その瞬間、
ツルッ!
「きゃあっ!!」
心はまだ少し凍っている所を踏み、おもいっきり滑ってしまった。
「いってぇ~」
「いったぁーい」
え?いてぇ?
心が不思議に思い、目線を上に上げると、自分と一緒になって転んでいる人がいる。
「あっ、あの~」
心が遠慮がちにそう言うと、
「あぁ?」
キレぎみで顔を上げた人は心と大して歳の違わなさそうな少年だった。
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