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世界は滅びの道を突き進んで行く。
母国は蹂躙され、荒れ果てていた。
否、どこの国も状況は変わらない。
各国に飛び交う核弾道ミサイル。
残虐な生物兵器。
シェルターなどはそれらの前では無力であった。
この国の防衛力は既に無く、同盟国さえ防波堤の役割を無くしたこの国を見捨てた。
そんな中、僕の輪廻は続いていた。
しかし、18歳で死ぬ運命からは逃れられずにいた。
だが、その最期には変化が見られなくなってきた。
焦土と化した本土で核の餌食に遭い死ぬ。そんな最期を何度、体験しただろうか?
18歳になる度に思い出す自らの最期。抗ってもみるが、押し寄せる核、生物兵器、科学を結集して造られた人を殺す為だけのロボット兵器。
運命からは逃れる事は出来ないらしい。
ある時はシェルターに隠る…が日に何発も撃ち込まれる核ミサイルの前には無力。
ある時は国外脱出を試みる…だが、逃げたところで各国の情勢も変化がなく死ぬ。
もはや、地球上に逃げ場は無くなっているのかも知れない。
18歳に見る前世の最期は代わり映えのしない最期となっていた。
唯一の変化は人口が急速に減っている点であろう。
ある転生で意外な事が待っていた。両親が居ない…
僕は孤児だった…
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