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やがて核の毒が身体を蝕み僕は18歳で死んだ
…最後の記憶は僕のために涙する少女であった。
そして続く転生。
幸いな事に少女は生きていて彼女に出逢う事ができた。
彼女と前世の僕の結晶として…
無論、僕には18歳になるまで前世での彼女の記憶は無い。
僕と既に大人になっていた彼女は種の保存の為に結ばれた。
やがて産まれた小さな光。新たな希望である。
この荒廃した世界にはもう未来は無いだろう。
人類の時代は自ら終焉を告げたのだ。
僕達は種の存続の為に禁断の行為を繰り返した。
次々と産まれる新たな種。
やがて僕は18歳になった。
思い出す前世にもはや意味が無かった。
この子達の未来はどうなるのだろうか?
その時、気がついた。
…僕は今日明日にも何らかの原因で死ぬだろう。ならば来世は?
彼女との結晶である我が子達を見つめる。
…次の来世、僕はこの幼い子に生まれ変わるのか…
この子、否、来世の僕にはその先はあるのだろうか?人類最後の生き残りの我が子達に…
僕は生きよう。
兄妹はやがて結ばれる。
子孫を残す為に。
そして僕はその子孫に転生するだろう。
僕は生まれ変わり続け生き続けよう。
この孤独な世界で…
永遠に…永遠に…
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