永遠に…永遠に…

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永遠に…永遠に…

僕達の世代では少し前に世界を巻き込んだ大戦があった事さえ知らずに育ち、世間では高度成長が盛んに叫ばれていた。 それは突然訪れた。 18歳の誕生日を迎えた日だった。 中流家庭に育った僕は、ささやかな誕生日を両親や友人に祝ってもらい、その日を終えようとしていた。 部屋に戻り小さな幸せを反芻していた僕の頭にそれは流れ込んで来た。 僕の意識が飛んだ。 原始の記憶。裸同然の僕は石槍一本で獣と対峙していた。 張りつめる緊張…緊張の糸が切れた!僕と獣が交差する! 石槍は空を切り獣の牙が僕を貫いた… 意識が遠のく…僕は獣の餌食となった。五体を引き裂かれる痛み… やがて僕の生命は潰えた… 意識が戻った。 …今の幻影は何だったのか?夢にしては生々しかったな… しかし、その日の僕は誕生日で浮かれていて、その幻影の意味を深く考えず、いつしかプレゼントの包みを開けるのに夢中になっていた。 その翌日。 前夜の興奮の余韻を噛み締めながら通学の徒についていた時だった。普段なら気をつけていたであろう、まだ舗装中の道路を横切る浮かれていた僕の身体を、スピードを上げた1台のトラックが跳ねて行った… 即死だった。
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