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4月の晴れた日…。
閑静な住宅街を走り抜ける男の子がいた。
『やっべー!初日から遅刻だっ!』
この黒の学ランに少し茶色がかった短髪。
少し痩せ気味で…でもどことなく確りした体格に長身の、爽やかな男の子の名は、“サトル”
この4月から新しく“小倉中学”と言う学校に転入するのだ。
緊張で中々眠れず、寝過ごしてしまったというワケである。
『はぁ…はぁ…、この道をまっすぐに行けば…』
勢い良く交差点を走り抜けようとしたその時だった。
『!?………うわぁ!』
「…きゃあ!」
1人の、苺ジャムが塗ってある食パンをくわえた女の子が横から走って来たのにサトルは気付かず、そのままぶつかってしまった。
二人の間に沈黙が流れる。
ポカンと未だに何が起こったのか解らず、宙を見ているサトル。
先に沈黙を破ったのは女の子だった。
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