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ドアノブに触れると冷たくなったドアノブが、俺の手の体温を奪い手が温度に慣れるのが感じられる。
そして俺は、少し温かくなったドアノブを右に回し前に押した。
ギィィィ
ドアは、酷く軋む音を奏でながら外の冷気を一気に吸い込んだ。
後藤「さみ~!!雪積もってるじゃあねぇーか!?」
屋上には、雪で出来た白いマットが敷いてある。
俺は、そのマットの上に土足で上がりスリッパの跡を付けて行く。
10歩ぐらい歩き、俺はポケットから手紙を取り出した。
今日、紗季に渡す予定だった物だ。
古い方法だが、チキンな俺にはちょうどいい。
俺は、これを一方的に渡して逃げる予定だった。
幼なじみだから失敗しても笑い話になると思ったが、どうやらこの話は俺の中に封印される。
きっと、誰にも喋る事は無いだろう。
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