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時間になって制服を着替えて外に出ると
遠藤さんは白い息をはいて手を温めていた。
「すみません。」
「いや、大丈夫。行こっか?」
あたしは一つ頷いて
歩き出した遠藤さんの後を追った。
雪は少し休んで
冷たい風だけが体の隙間を吹いていった。
夜の闇が車のミラーに明るく照らされては
また闇を作って人の輪郭を囲う。
「本当に1年前とは別人みたいだね。」
少し振り向いて笑った。
「遠藤さん、最近それよくいいますね。」
そういうと遠藤さんは
初めて気付いたみたいに驚いてみてた。
それを見てあたしが笑うと
ほら、そういうとこ
と頷いた。
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