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――ある病院の一室にて。
一つの生命が誕生した。
名前は、えみる。
えみると名付けられた女の子は、無邪気にきゃっきゃと笑っている。
そして、その傍らにはその子の母親である女性の脱け殻になった姿があった。
えみるの母、花音(かりん)は自らの命と引き替えに新しい生命を産み出したのだ。
『お母さん。』
……その傍らで歯を食いしばって涙を流している7歳の男の子。
男の子の名前は、海都。
――この物語は、
7歳の男の子、海都の心に憎しみが生まれた瞬間から始まった。
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