葵 4歳~事のほったん~

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 入園式から数日後。  涼はずっと続く塀の入り口を探していた。 「大きいお屋敷だねぇ……もう随分歩いてるんだけど……」  右手には連絡先の書かれた紙。左手には紙袋。  紙袋の中には、先日のリボンがクリーニングされたものと、美味しいと評判の店のケーキが入ってある。 「小さな姫は、喜んでくれるかな?」 なんて顔をほころばせながら考えていると、4メートルはある立派な鉄格子の門が見えた。  門の前まで行くとその傍らに付いているボタンをそっと押した。
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