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入園式から数日後。
涼はずっと続く塀の入り口を探していた。
「大きいお屋敷だねぇ……もう随分歩いてるんだけど……」
右手には連絡先の書かれた紙。左手には紙袋。
紙袋の中には、先日のリボンがクリーニングされたものと、美味しいと評判の店のケーキが入ってある。
「小さな姫は、喜んでくれるかな?」
なんて顔をほころばせながら考えていると、4メートルはある立派な鉄格子の門が見えた。
門の前まで行くとその傍らに付いているボタンをそっと押した。
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