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「――はい?」
メイドであろう品のある声が、インターホンから聞こえる。
「藤原 涼と申しますが、宮古塚 葵さんは、おられますか?」
「藤原 涼様ですね? お話しはお伺いしております。少々お待ちくださいませ」
しばらく待っていると大きな門が音を立てて開き、品のある涼しげな目をした女性が迎えにきた。
「藤原 涼様。お待ち申し上げておりました。どうぞこちらに」
言われるがままに涼は着いていく。
家の敷地内とは思えないほど、華やかな庭園が長くつづいていた。
花々達に目を奪われていると、気付いたら大きい洋館の扉の前で女性が扉を開け、中に入るよう促していた。
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