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涼が花々達に目を奪われながら庭園を歩いていた頃、メイドが葵の部屋の扉をノックしようとした。
「葵になんかの用?」
不用意に横から声を掛けられた。
「えぇ。葵お嬢様にお客様がお見えになったんですよ。愛斗様」
いきなり声を掛けられたらビックリするようなものだが、宮古塚家メイド158ヶ条には“葵お嬢様に接触する時に必ず神出鬼没に愛斗様が現れる。愛斗様にまず説明してからでは無いと、葵お嬢様にお会いできない”
というものが存在する。
なので宮古塚家のメイド達は、もう慣れている。
ちなみに宮古塚家メイド158ヶ条には 愛斗様を愛斗お坊ちゃん(ま)と呼んでは、いけないっと言うのもある。
以前あるメイドが愛斗お坊ちゃまと呼んでしまった。次の日からそのメイドの姿を見ることがなかった。
子供扱いされるのが嫌だそうだ。
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