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そこはまるで幻想の世界
一面の銀世界に
満開の一本桜
真っ白な雪のカーペット
桃色のイルミネーション
『……ゆきのなかで…さくらがさいてる………』
『…きれいでしょ?』
涙があふれてくる
『…とーやのなきむし!』
『そういうさくらちゃんだって…』
『ねぇとーや、ココ、あたしととーやみたいでしょ?』
『…?』
『春だけど、雪がふってて冬みたい』
『…うん…』
『冬の夜に桜』
“とーや”と“さくら”
《冬夜》と《咲羅》
『ほんとだ!!』
『ね♪』
つないだ手を
ギュッと強く握った
『…冬夜、またいっしょに来ようね♪』
『うんっ!!』
つないだ手
交わした約束
“ぜーったい、またいっしょに見ようね!!”
この約束が
果たされることがないことを
ふたりは
まだ知らない………
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