‡後悔‡

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触れるのが怖かったんだ 震える羽根のような君 触れたら崩れ落ちてしまいそうで 傷つけるのが怖くて 失うのが怖くて 僕は 手を伸ばせなかった… 君は僕に精一杯腕をのばしてくれたのに 精一杯のほほ笑みをくれたのに 君の笑顔から目をそらした 認めたくなかったんだ 君が… いなくなるなんて… 視線を戻した僕の瞳にうつったものは 目を閉じた君 動かない体 まるで… 眠っているかのように… 君はもう… 動かない 泣かない 笑わない 最後に笑顔で腕をのばした君… どうして手をとれなかった? どうしてほほえみかえせなかった? 君は 最後を受け入れたのに… 僕は逃げた 君を失った僕に残ったものは 激しい後悔 ごめん… ごめん…………… ごめんな……………? もう少し 待ってて… 次に君に会えたなら 強く 強く 抱き締める だから もう少し………… 待ってて…
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