19人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
君は突然
僕の前から消えた
僕は走った
がむしゃらに
がむしゃらに
ただただこの丘に走った
君がいるような気がして…
…桜は昨日と変わらず咲いてた…
でも
君はいなかった…
涙が出た
君が僕の隣に立つことは
もう二度とない
幼いながらも実感した現実に
僕はただ
声を上げて泣いた
もういない
もう会えない
約束…したのに………
“ぜーったいまたいっしょに見ようね!!”
うそつき…
うそつき…!
うそつきぃぃぃぃっ!!
…あれから15年…
君はもういないけど
約束が果たされることもないけれど
僕は生きていきます
桜の花びらが風に舞う
僕の頬に
ひとひらの花びら
“…冬夜…ごめんね…?…約束…ごめんね……”
…いいよ……
“…バイバイ…冬夜…”
バイバイ…
“咲羅”
最初のコメントを投稿しよう!