‡螢‡

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支えになりたかった 君の支えに… 自分が そんな大きな存在じゃないのはわかってる… それでも 君の支えになりたかった… いや、支えでありたかったんだ……… 『ボクがいるから』 『そばにいるから』 だから消えないでよ… ボクを置いて消えないでよ………? 泣きながら 君を抱きしめた… 強く強く……… 君も ボクを抱きしめ返して ほほえんだ 君の笑顔に安心して ボクは少しだけ 君を抱きしめる力を緩めた すりぬけるように ボクから離れた君 『ありがと。遅くなるから、今日はもう帰るね😃』 “またね” 君がいなくなったと聞いたのは その翌日のことだった 嫌な予感… あの時…離さなければ… 夏の夜 蛍の光に包まれて 君は まるで眠ったように… …君はもう戻ってこない… 支えになりたかった 君の支えに 支えになりたかったよ… 支えでありたかった……… さよなら… ………螢…………
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