運命

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直樹と順平の住まいは、車屋町から電車で三駅離れた郊外にある。 直樹と順平二人は、地元の公立へ行かず、私立の高校へ通っていたので、地元の友人と、繁華街のグループと別々に友人がいた。 王子山駅に着いて、自転車を走らし、それぞれ一度家に帰って、スケボーを取りに行った。 「またお出かけですか?」 理解のある母が皮肉目に声をかける。 「うん、隆とかとスケボーしてくるわ。」 「事件起こさんといてや。」 母が笑い出す。 「大丈夫、大丈夫。」 直樹は笑いながら家を出た。 理解があって、おもしろい母なので、不思議と反抗期は一度も無かった。 大好きな母である。 マザコンと言われれば、それまでだけど。
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