双子の朝

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  眞狼と巳栗は双子だ。 だが、性格は正反対。 兄の巳栗は恥ずかしがり屋で人前に出ようとしない子。 弟の眞狼はしっかりした性格だが、バカなことが好きなどうしようもない奴。 巳栗は中性的な顔立ちをしている為、よく女性に間違えられてしまう。 弟の眞狼はキチンとした男の顔だ。 なので、二人が双子だとはあまり分からない。 「ま、眞狼…学校に行こう…」 朝、兄の巳栗が眞狼の部屋の前で呟きに聞こえるくらい小さな声でそう言った。 聞こえなかったかな…と巳栗は心配したが、部屋の中で眞狼の、 「ちょっと待ってて」 という声を聞いて安心した。 しばらくして眞狼が部屋から出てきた。 「よしっ!行くぞ、巳栗っ!!」 「は、はいっ」 眞狼の後ろを巳栗がトコトコ歩く。 …これでは、どっちが兄だか分からない。  
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