双子の朝

5/9
前へ
/390ページ
次へ
  「巳栗ぃ…何か言ったぁ?」 巳栗の声に反応して花月が睨む。 「い、いえ…何も…」 「巳栗をいじめるなよ」 さっきからジィィと巳栗を睨んでいる花月に眞狼はそう言った。 「はぁいっ!眞狼は兄思いなんだねぇ」 花月はそう言うと逃げるようにしてその場から立ち去った。 その後ろを璃湖が歩きながら追いかける。 その様子を見ていた巳栗はゴンッと電柱にぶつかった。 「………」 「……巳栗…またかよ。昨日も電柱にぶつかってたよな?」 「そ、そうだっけ?…車だったような気もするけど…」 「車でも電柱でもないわ。看板よ」 「うわっ!?流亜っ!!?びっくりさせるなよっ!!」 急にどこから現れたのか、流亜がいた。 「酷いわね。そんなにびっくりしなくてもいいでしょう?巳栗はそんなに驚いてないのだから」 流亜が巳栗の方に視線を向けた。  
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加