如月 璃湖

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  四月の桜が満開の季節。 璃湖(リコ)は、学校の玄関先に張り出された紙を見つめていた。 “図書館がしばらくの間、閉館”という内容の紙だ。 璃湖はハァ~と溜め息をつく。 「本が読めない…」 大好きな本が読めない…。 ということは、必然的にしばらくの間は花月(カゲツ)の相手をしなきゃいけないということになる。 花月は璃湖の幼なじみだ。 ただの幼なじみなら、璃湖はまだ我慢出来る。 だが、花月は“問題児”なのだ。 問題児の相手をするのは……なるべく避けたい。 だが、それは避けられない運命なのだ。 「学校生活最後の一年の始まりが最悪…」 この一年… 嫌な予感がしてきた璃湖だった。  
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