◆それぞれの進路◆

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黙っててって言っても あんなに口が軽い咲には無理だろうし…。 ―ガチャ 「入るぞー」 『あ、千里』 てか…入るぞって言う前に既に部屋入ってるし。 「お前、どんだけデカイ声で電話してんだよ。丸聞こえ。」 マ、マジですか… 『ねえ、千里あの車で話した美容師さんのことなんだけど。』 「ん?」 隣に腰かけて短く答える千里。 『咲の叔母さんなんだって…』 「え!マジかよ。咲ってあのうるさい女だろ?」 千里の頭を軽く小突いて 『人の友達うるさいとか言うな』 忠告する。 「って…」 『それで専門学校のパンフレット持ってきてくれるって言うの。ここに』 「はっ!?」 『断る暇もなくて…』 千里はあたしを見て深くため息をついてから 「とりあえずお袋に話しておけよ?」 優しく言ってくれた。
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