一人

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「七美」 呼ばれて思わず携帯閉じた。 顔をあげると、同僚の悠斗。 壁に腕乗せながら、私を見る。 「何?」 「今日、出る予定ある?」 「まだわかんないけど…何で?」 「イヤ…ならさ、出る時俺に言って」 「…わかった」 じゃ、と手を軽くあげると去って行く。 取り敢えず、携帯のフォルダ整理してから閉じて仕事を始めた。 「七美―、二番に電話―」 「あ、はいっ」 自分のデスクの上にある電話を取った。 「変わりました、原田七美ですが…」 『七美?俺、松野』 …松野拓己 私を、使い放題使って投げた男。 なんで… 会社の電話なんて教えてない…しかも携帯変えたのも教えるわけないし。 →
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