第二話~十六夜の月夜~

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「えっと・・・重衡さん・・・。」 「願わくば、私のことは重衡とお呼びください。」 「えっ、あ、はい。」 「あの・・・あっ、いえ。私に聞きたいこととは?」 「し、重衡。」 「はい。」 「重衡さんのお父さんの名は?」 栞はぎこちなく重衡の名を呼び、今知りたいことを聞く。 重衡は父の名を聞かれ少しキョトンとした顔で聞き返す。 「私の父上・・・ですか?」 「はい。」 「平・・・平清盛公でございます。」 「・・・清盛・・・じゃあここは・・・。」 「・・・。」 やっぱりここは源平合戦の起こる前の時代・・・。 どうして私は、ここに・・・。
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