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「あなたは時に可愛らしいですね。」
と重衡がそういって、外を見たときだった。
少しずつ雲が流れ月の光が差し込み始める。
「あぁ--雲が晴れてきましたね。」
そういったのと同じくして、私の周りが光だす。
「あっ・・・。」
このままじゃまた私・・・。
栞の声にどうしたのかと重衡が振り向くとうっすら栞の姿が光っていた。
「十六夜の姫君?」
「うそ・・・私、また・・・。」
「姫君、この光は--っ。」
「いやーっ!」
「十六夜の姫君!!」
重衡が掴もうとしたときにはもう栞は時空の歪みに飲み込まれて光と共に姿が消えてしまっていた。
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