第一話~時空越え~

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栞は、あれから鳴り止むことのない鈴の音に導かれ、歩いていた。 その鈴の音の中に声が聞こえる。 「神子様・・・こちらへ。」 年上の男の声・・・。 それが私を呼ぶもの。 お前は誰だ? どうして私なんかを呼ぶ。 空を見上げながら考え事をしていた将臣が視線を戻したとき、ふらふらと栞が歩いていくのが見えた。 「栞?」 どうしてここに・・・? また泣きたくなったのか? でもそれにしては様子が変だ。 歩き方もいつもと違うし・・・。 「おい、栞。」 何かおかしい。 栞、どうしたんだ? いったい。 将臣は、名前を呼んでも気が付かない栞に走り寄って腕を掴んだ。 「おい、栞、どうしたんだよ。」 すると、やっと気付き、栞が将臣を振り返る。 その栞はいつもと変わらない栞だった。 「えっ、将臣。あれ、どうして私はここに・・・。」 鈴の音が聞こえて、男の人の声が聞こえて・・・。 私は無意識にここに来たの? 「俺もしらねぇよ。」 どうしてか考えようとすると再び男の人の声が聞こえた。 神子様・・・こちらです。
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