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暖冬だ、なんて言うけれど
朝の冷え込みは耐え切れない程で
でも
「寒くない?」
「ん、平気…」
蓮の運転する車の助手席は
とても、心地良い
暖房の所為かな
とても、眠たくなる
「…何処に送れば良い?」
真っ直ぐ
道路を見据えたまま、彼が問い掛ける
「んーと…‥シンジの家?」
空気が、揺れる音
彼が吹き出したのだと
横目で確認する
「何処だよソレ、あーもう面倒くせぇー」
口は悪いけど
蓮の顔は笑っていた
朝の空いている道路
薄く掛かった霧
車内で掛かるジャパレゲ
隣に人が居るという安心感
全てが、心地良くて
「こら圭吾。お前が寝たら送れないだろ…」
「ぅ、ん…‥」
眠気には勝てなくて
「…ゆっくり休んでなよ、ちゃんと起こすから」
頭を撫でられた気がしたけれど
よく分からなくて
眠りに、堕ちる
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