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浅い眠りは
小さな音でも醒めてしまう
「…ん、…‥?」
ブレーキの音がして
車が止まった
其れだけ、理解出来た
「…ど、こ…‥?」
信号待ちでもなさそうで
欠伸をしながら伸びをする
「何処なんだろうね?俺にも分かんないや」
ハンドルに上体を預けながら
蓮は笑う
「何それ…超テキトーじゃん」
取り敢えず
身体が固まってしまったから
居心地良かった車内が
急に窮屈に感じ
ドアを開き、外に出た
朝日が眩しくて
まだ慣れないから、自然と双眸は細まる
目の前に広がる景色は
「…綺麗‥…」
朝日に煌めく
一面の、海
「元気になった?」
いつの間にか
蓮は俺の隣に居て
「ん…ありがと」
あの笑顔を、俺に向ける
朝日が眩しくて
でも、とても綺麗で
景色が綺麗だからかな
とても、和やかな気持ち
「…アンタが元気ないと嫌なんだよ」
眼下には綺麗な海
俺の真横には
悲しそうな、蓮の顔
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