‥日々を‥

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「美味そ…食べていい?」 店主を見上げると 双眸が細まったように見えた 「沢山食べなよ、おかわりあるし」 「いただきます…」 「肉が出て良かったなー?」 ハンバーグとパスタのセット コーンスープまで付いてる 「俺ハンバーグ凄く好きなんだよね」 俺の言葉に 店主と蓮は目を合わせ 直ぐに吹き出した 「やーいガキー」 フォークにハンバーグを刺して 其れで緩やかな円を描きながら、彼は笑う 「はー?蓮のがガキじゃんか。」 ムキになった俺を 二人は更に笑うんだ 優しい店主 良い香の漂う店内 和やかな、雰囲気 店を出る頃には 夕方になっていた 「…美味かった?」 夕暮れの砂浜を 肩を並べて歩く 寄せては返す波は 微かな風と、磯の香を漂わせる 「美味しかったし、楽しかった…蓮、ありがとね」 自然と浮かぶ笑顔に 蓮も、俺も驚いた 気付いたら、彼の腕の中 不思議と嫌じゃなくて そのまま、抱きしめられた
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