‥変えて‥

16/27
前へ
/1470ページ
次へ
「本当に大丈夫?迷子になったら直ぐ電話しろよ?」 「あーもう煩いなぁ…大丈夫だっての」 玄関先で 彼が見送ってくれる 「…圭吾」 ドアノブに手を掛けた所で彼に呼ばれ、振り返る 「――っ」 彼の顔が間近になり 反射的に瞳を閉ざす 「…いってらっしゃい」 額に、口づけが落ちる 「い、行ってきます…」 熱くなる頬を見られたくなくて 素早く部屋を出た 此処は二十階だけど エレベーターは早く着く 一気に下ると 初めての、一人での外出 「出て…左。真っ直ぐ行って…スタンドの前を…」 何度も復習して覚えた道を 口に出しながら、着実にバス停に近付く 「あ、バス停…」 見つけると 何だか勝ち誇った気分になった 其処まで行列じゃない先客に続いて、並ぶ 「ん!?圭吾ー?」 背後から、聞いた事のある声 振り返ると 「ミツル…何してんの?」 同級生の、ミツル
/1470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3306人が本棚に入れています
本棚に追加