3306人が本棚に入れています
本棚に追加
「…と言う訳だ。暫く居座るから宜しく」
「あは、圭吾ウケルー。金持ちの家なのに勿体ねぇー」
他人事のように笑う友人は
煙草を吸いながら俺の肩を幾度も叩く
「…痛いって。てかシンジって女いねぇの?居たら他を探すけど」
テーブルに投げ出された煙草を取り
白筒を一本抜く
すかさず火を差し出されたから
笑いながらも其れを借りる
「ん?居ない居ない。いたらホストなんて勤まらないっしょ」
シンジとは昔からの悪友で
こいつは大の女好き
髪を染めたのも
シンジの影響だったりする
高校生になって二年
毎晩のように仲間と遊んでいたし
警察沙汰になる喧嘩だってした
そんな俺は
まさに煙のような存在
唯の生み出されたモノ
出来れば、早く消えて欲しい
親父の言いたい事は
顔に書いてある
其の証拠に
「何なにー?圭吾誰にメールしてんの?可愛いコいたら紹介してー」
着信すら来ていない
「阿呆か。どっかいいマンションないか探してんだよ」
期待なんか、してない
俺はもう戻らない
最初のコメントを投稿しよう!