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暫くして
振動が止まり
また暫くして
――ウ゛ー、ウ゛ー
着信の振動
「煩い…ほっといてよ…」
振動が邪魔で
家の事は忘れたくて
着信あり 6件
その画面だけを確認して
電源を切った
「心配なんか、してない癖に…」
同時に
俺の電源も、切った
浅い眠りの中
何だろう
慌ただしい足音が聞こえる
「っ圭吾!?」
張本人は
「…れ、ん‥…?」
玄関からの短い距離を
全力で駆け抜ける蓮だった
「…‥無事、か…良かった…」
彼が何を慌てているのか理解できなくて
取り敢えず、上体を起こした
「何…どしたの‥?」
目元を擦りながら
目の前の息切れする蓮を見上げる
「電話…っ何で出ねぇんだよ…」
「電話…?」
電源を入れて
着信履歴を確認すると
最初の一件は黒川で
後は全て、彼だった
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