‥変えて‥

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「…自分からは、した癖に」 俺は何をいじけているのだろう 彼に背中を向けて ソファに凭れる 「あー‥ほら、アレは場の勢いでさ」 今の言葉は 問題ではないだろうか 「…勢い、だった?」 彼を振り返り きっと、顔は引き攣ってただろう 「勢いで、好きって…付き合おうって、言った…?其れ、酷いよ…」 また、困らせた 分かってるけど 「圭吾、違…っ」 悲しい顔はさせたくないけど 「――っ触んな!!」 貴方の気持ちが、解らなくて 俺は蓮の手を払い退け 素早く、家を出た 「っ圭吾!待てったら…!」 幸にも エレベーターは早く迎えに来たから 彼が追い付く頃には 扉は閉まった 「っふざけんな…!」 閉まった刹那 扉を叩く音と 掠れた蓮の声が聞こえた 自動で動く箱は 俺の気持ちのように 深く、深く 止まる事なく、下降してゆく
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