135人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
荒野に風が吹き渡る…。
「ふっ久しぶりだな~。」
俺は歌猫。
今は俺の生まれ育った故郷へ帰っているのだ。
どこまでも続く荒野をゆっくり、家族に会えるという期待とあいつと再開することになるという嫌な気持ちを膨らましつつ一歩、また一歩と歩き続けた。
「誰か!助けて!!」
「ん?」
助けを求める声と、なにやら野蛮な声が入り交じっている。
急いで声のする方へ駆け寄ると、大量の砂を巻き上げながら一人の青年を追い掛ける柄の悪い集団が視界に入った。
身なりからして盗賊だろう
青年は商人だろうか、大きな荷物を背負っている。
最初のコメントを投稿しよう!