希望の日々

8/8
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「大丈夫、今度は上手く隠したから・・。母さんはどう?彼氏とは上手くいってる?」 母さんにはいま付き合ってる人がいる。 俺も会ったことがある。 明るく優しい男性。 「上手くいってるよ。べらべらしゃべってばかりでたまにうるさくなるけど楽しい。」 口数が少ない父親とは正反対の相手の男性は、母さんの古い友人だった。 「そう良かった。母さんプロポーズされたら知らせてくれよ?」 少しちゃかした口調でそう言うと、恥ずかしそうな笑い声が聞こえてきた。 「余計な気をまわさなくていいよ。母さんは行人の方が心配なんだから・・。」 本当に心配そうな声、昔聞いた言葉が思い出される。 「大丈夫、心配しなくていいから、つらくなったら母さんに電話するから・・。」 「うん、いつでもかけてきて。じゃあ切るね。」 「ああ、またな。母さんおやすみ。」 「おやすみ、行人。」 互いに挨拶をし、携帯をきった。 携帯をその場に置き、風呂にお湯をはりにいく。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!