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「大丈夫、今度は上手く隠したから・・。母さんはどう?彼氏とは上手くいってる?」
母さんにはいま付き合ってる人がいる。
俺も会ったことがある。
明るく優しい男性。
「上手くいってるよ。べらべらしゃべってばかりでたまにうるさくなるけど楽しい。」
口数が少ない父親とは正反対の相手の男性は、母さんの古い友人だった。
「そう良かった。母さんプロポーズされたら知らせてくれよ?」
少しちゃかした口調でそう言うと、恥ずかしそうな笑い声が聞こえてきた。
「余計な気をまわさなくていいよ。母さんは行人の方が心配なんだから・・。」
本当に心配そうな声、昔聞いた言葉が思い出される。
「大丈夫、心配しなくていいから、つらくなったら母さんに電話するから・・。」
「うん、いつでもかけてきて。じゃあ切るね。」
「ああ、またな。母さんおやすみ。」
「おやすみ、行人。」
互いに挨拶をし、携帯をきった。
携帯をその場に置き、風呂にお湯をはりにいく。
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