過去の日々

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他人に言うとマザコンだと言われるから、言わない、言えない。 大好きな母・・。 自分が普通の身体ではないことは幼い時から知っていた。 生まれつき極端に心臓が弱く、入退院を繰り返した。 初めて死にたいと母にもらしたのは、小学生になる直前だった。 楽しみにしていた入学式、前日の数日間具合が良かったから行けると思っていた。 それなのに当日になり、俺は倒れてしまった。 いま思えばきっと期待しすぎて、興奮していたんだろうと思う。 だけど当時の俺は凄くショックをうけていた。 病院のベッドの上で目覚めた後、入学式が終わったことを知った。 その時に言った。 『疲れた。もういいよ。楽になりたい死にたいよ。』 その年で言うには不釣り合いな内容・・。 その言葉に母さんは泣き出して言った。 『ごめんね・・。こんな身体に産んでしまって・・。ごめんね、つらい思いをさせてしまって・・。』
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