過去の日々

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いつも優しく笑っていた母は、涙をおさえきれぬまま泣いた。 泣かせるつもりはなかった。 死にたいと本当に思ったから言っただけだった。 大好きなはずの母を泣かしてしまい、俺は癇癪もおこせず泣いた。 母と一緒に止まらぬ涙を流した。 俺は涙でシーツをぐちゃぐちゃにした。 母は入学式用のよそ行きの服をぐちゃぐちゃに濡らした。 朝の支度を整えながら、気合い入れてしたのだろうせっかくのメイクも、髪もぐしゃぐしゃになっていた。 辛かった。 苦しかった。 悲しかった。 二人で泣き続けた。 父親がきて、再検査の時間を知らせるまで・・。
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